Kensington Slimblade Pro レビュー

あらすじ

親指トラックボールを使っていたが、最近は職業柄めちゃくちゃマウスを使う機会が増えてきた。その結果親指の関節が痛くなるようになってきて、指をちょっと曲げるだけでも痛みを感じるようになってきた。
このペインを解決するために最適なマウスがないかを考えた結果、ちょうどその前の週にヨドバシカメラを散歩して少し触れていたケンジントンのマウスが脳裏に思い浮かんだ。
元はといえば肩が痛くなるからトラックボールマウスを買ったわけだが、親指が痛いから別のトラックボールマウスを買うという思考になるなんて、人間はとても欲深いものだ。
購入を検討する
僕の心はもうすでに買うことが決まっていたのだと思う。ただ、値段も相まって簡単に買うという意思決定をするまでに時間がかかってしまった。
僕は、少しでも買う意思決定がしやすくなるように情報を収集した。
ネットの広い海を漂った結果、このマウスにはいくつかの性質があるということが分かった。
- トラックボールが大きいため、親指のトラックボールマウスとは違い、「慣性」で操作をするということ。
- 慣性で操作をするため、マウス速度は通常よりもかなり遅めに設定し、感性とマウス加速によって大幅な移動を行うということ。
- トラックボールを使ってスクロールするときに「カチカチ」といった音が鳴ること
- 変態的(※)であるということ
- 欠点としてボタンの押下音が多少うるさいということ
このような期待値調整を行いつつ、僕はAmazonのオレンジ色のボタンをクリックした。
※ここで言う変態的というのは一般的な形から離れているという意味だが、ガジェットオタクからすると、一般的な形から離れているということは、一般的なものからは得られない独特な経験があると考え、惹かれてしまうのだ。
参考にした記事

20時間後の対面
東京に在住していると夜の23時にAmazonで購入したとして、次の日には大体届く。つまり、20時間後に僕はこの変態的すぎるマウスに対面することになった。
これは買う前から思っていたことなのだが、このマウス何かに似ている。そう、それはJavaのマスコットキャラクターなのである。


このようなマスコットのようなマウスに対面し、僕は早速、箱から取り出し、パソコンへのセッティングを行おうとした。
しかし、一向にBluetoothに検出されない。10分くらい迷ったところで、僕はおとなしく説明書を見ることにした。

ひとまず公式アプリを入れてみると、このマウス自体にショートカットキーの設定などを行えるということなので、パソコンにインストールをしてみた。
そうすると公式アプリ上でどのように接続するかを知ることができ、僕が予想でBluetooth接続しようとした方法は間違っていたということに気づくことができた。そして無事パソコンに接続することができた。
僕は前情報で得ていた「カチカチ」と音の鳴るスクロール操作を試したり、大玉トラックボールによる転がすマウス操作というものを堪能した。
そして、慣れない面もあり、その日はすぐに寝てしまった
※これは余談だが、妻が意外と気に入ってしまい、スクロールするときのカチカチ音や大きなトラックボールでの操作感を気に入っていた。
先人の教えを思い出す
しかし、どうしてもトラックボールによるマウスポインター移動がまだ少し最適だとは感じられていない。
ここで先人の教えを少し思い出し、前述したブログの記事を再度読み込み、マウスポインターの設定というところを見直した。
マウスポインターの速度は遅くしつつ、マウス加速度を最高にし、慣性でマウスポインターを移動する。この原則を僕は忘れていた。
そして推奨されていたその設定をした後に触るようになってから思うようにマウスを移動することができ、かなり簡単にマウスポインター操作を行うことができた。
この時に僕はふと思った。「このマウスは今まで以上に最高のものになるぞ」と。
体験しないとわからない経験がある
このマウスの憎いところとしては、実際に体験しないとわからない経験があるということだ。
これは前述した変態的であるというところにも関わってくる部分なのだが、変態的であるということは通常のマウスでは得られない経験を得ることができる。つまり、このマウスは買うか試さないと、このマウスの真骨頂はわからないのだ。
例えば、この大玉のトラックボールを転がすというシンプルな楽しさ。
そしてマウスを握らずにゆるく力を抜いた状態で手のひらを左右に動かすだけでマウスポインターを操作できるという体験。
またこのスクロール時に発生するカチカチといった、まるで金庫のダイヤルをひねるかのようなエキゾチックな体験。
スクロールも中指でスクロールするのではなく、薬指を使ってボールを撫でるかのように行う体験。
どれも既存のマウスからは得ることができない貴重で独特な体験である。
欠点として挙がっていたクリック音の大きさであるが、確かに音は大きいが、それを有り余るほどのメリットを享受できているため、あまり気にはならない。
完全に予想外だった利益としては、音声入力のショートカットを使うために左手デバイスを以前まで使用していたのだが、このマウスを買ったことにより、このマウスのショートカット機能で音声入力のショートカットキーを押せるようになったため、左手デバイスが不要になり右手だけで全ての操作が完結するようになったということだ。
今のところストレスとしてはマウスレストがないため、少し手の甲が反ってしまい疲れを感じるというところだが、それは昨日Amazonで購入したのですぐに解決されるであろう。
この記事の内容から感じられるように、僕の今回の買い物は正解だったと言える。
これは値段が高かったからという選択支持バイアスで良かったと思いたいわけではなく、実際に触り、体験として値段に相当するものを得られていると実感できているからだ。
最後に
確かに値段は張るものであるため、家庭の状況を踏まえ購入は検討してほしい。またゲームには確実に向かないことは分かっているため、そういった面での購入は避けてほしい。
強いて言うならばトラックボールマウスを使っているが、親指による操作が多くなり、どんどん親指に対して負荷を感じているという人は、ぜひこっちを試してみてほしい。僕は強く支持する。
特に操作をする必要もないのに、大玉のトラックボールをコロコロと転がして遊んでしまうこのハンドスピナーのような感覚を、ぜひ購入した人は堪能してほしい。
余談
各所に喜びを自慢しにいっていたが、どくさいスイッチと連想された時もあった。人の連想能力は偉大である。
