チーム健康診断ふりかえり
弊社では健康診断シーズンを迎え、季節感のあるふりかえりをしたいと思い、計画しました。元になったふりかえり手法は「象・腐った魚・嘔吐」です。

弊社では健康診断シーズンを迎え、季節感のあるふりかえりをしたいと思い、計画しました。元になったふりかえり手法は「象・腐った魚・嘔吐」です。

ちなみに、あえてこの記事では"ふりかえり"という言葉を使用しています。スプリントレトロスペクティブと表記しないのは、スプリントに限ったスコープの話にしたくなかったからです。
チェックイン
ねらい
アイスブレイクと場への参加率を促す
何をやるか
健康診断にちなんで、スプリントにおける心の健康状態を簡単に共有する。
どうやるか
1分30秒ほど考える時間を設けたのちに、順不同で全体に共有していく。
例

[Tips]なぜ順不同にするのか?
自己組織化を阻害しないためです。誰かが誰かを指名する形にしてしまうと参加者が受け身になります。
朝会では、参加者は最初に話す人を知る必要がある。 ファシリテータが最初に話す人を決めてしまうと、自己組織化の考えに反してしまう。 何もせずに最初に話す人が誰なのか分かるようにすべきだ。

ラウンドロビン式も避けています。
ラウンドロビンのようなシンプルで予測可能な順番メカニズムを使うと、 自分の順番になるまでスピーカーのことを無視することができてしまう。 他の人たちが何を言っているかに注意を払わずに、 何か他のことを考えているのだろう。
チームで健康診断
ねらい
チームをみんなで健康診断することによって、チームが抱える潜在的な課題を発見する。
なにをやるか
健康診断のメタファーを使い、「自分の体に異常がないか?」という視点でチームを診断する。「象・腐った魚・嘔吐」で言う「象」と「腐った魚」に属するものを見つけるための問いかけを行い、その後の対話時間に話題に困らないように支援する。
どうやるか
2つの思考フレームで考える。それぞれにねらいがある。
- 今のチームのBMIはどれくらいですか?
- そのBMIになっている要素や、チームの健康を害する習慣はりますか?
今のチームのBMIはどれくらいですか?
BMIというメタファーを使い、体型を対外的に判断する。
- BMIが高い≒太っている≒アジリティが低い / 病気になりやすい
- BMIが普通≒健康体≒比較的問題はないが、BMIが高いほうなのか低いほうかでどっちに寄っているかを表現する
- BMIが低い≒痩せている≒アジリティが高め / 病気になりやすい(もろい)
上記のように、BMIというスケープゴートを用いて遠回りに「自分が感じているチームの状態」を自己開示するのを促す。
そのBMIになっている要素や、チームの健康を害する習慣はりますか?
健康を害する習慣(飲酒・喫煙等)をメタファーに、以下の部分を遠回しに表明できるように促す。
- チームの中であたりまえになっている習慣やプロセス
- 気づいていないが、体を蝕んでいるプロセス
- 悪いと思っているが、続けるしかなくてやっているプロセス
上記のように、「あたりまえ」になっていることに対してフォーカスが当たるようにメタファーと問いかけを調節する。表面的な問題ではなく、本質的な問題に目線が向きやすくなるように習慣(体を形作るもの)を表現に使用した。
例


対話
ねらい
参加者全員が話すことによって、自分の意思が反映されていることを感じつつ、他の人の持つ課題点から類似点を見つけ、小さなチャレンジを考える
なにをやるか
前述したBMIと健康を害する習慣を共有し、それをベースにどういう問題があるのか?どういうチャレンジを取ることによって改善するのかを話す。
どうやるか
ひとまず全員が自分の意見を共有するように促す。ここで誰か1人の声が大きい人だけの問題発表会にならないように注意する。
共有をしつつ、具体的にその問題を解決するためにできそうな小さなチャレンジをふんわりと添えて表明する。ここのチャレンジは事実的に「チャレンジ」であり「改善策」ではない。より実験感を感じるように「チャレンジ」という言葉を用いる。
最後に
今回は小さなチャレンジを捻出できれば御の字という形で進めました。
本質的な問題に対して小さなカイゼンアクションという形には落し込めた所はあるが、アクションを考えるフェーズでは更に改善点があるように感じました。まだまだですね。
SaPIDの手法から、システムズアプローチとして、出てきた問題たちの因果関係を作る「因果関係マッピング」みたいなイメージのワークを挟む会があっても良いかもしれないな~と思ったり。
健康診断というメタファーはすごく使いやすかったので、ぜひみなさんもやる機会があれば健康診断ふりかえりをやってみてください!
余談
ワーク実施日の前日の夜から考え始めて寝てる時も考えたりするんですが、大体そういうときにはいい案は出ず、出社しようとして家から駅まで自転車に乗っている時間に名案が思いつくことが多いです。これはその10分くらいで思いついてオフィスで形にしました。